続・バタ足について

 結論:クロールにおいて、スプリントではプルの貢献度が高く、距離が長くなるとキックの貢献度が高まる。

これまでのブログ記事の中で、バタ足が苦手な原因が圧倒的にアクセス数が多かったです(平均の3倍)。しかし、冒頭ので示したとおり、スプリントにおいてはプルのほうがスピードアップに貢献しやすく、キックはどちらかというと「リズムをとる」「プルの推進力の邪魔をしない」ことの方が重要で、それほど重要でなかったりします。より短期間にスイムのスピードアップを目指すならプルのテンポ及びスピードアップの強化をおすすめします。

100m200mと距離が伸びて、ストロークテンポがゆっくりになるほど左右のプルの推進力に途切れが生まれるので(キャッチアップスタイル)、キックはその際の減速を防ぐという役割が大きくなります。この場合は、キックのスピードアップよりも持久力の向上トレーニングをおすすめします。例えば50m10本1分サイクルの平均タイムを上げるなど。

キックが苦手な方の身体的特徴として「足関節の可動域制限(足首の硬さ)」があります。しなりが少ないので後方に水を押し出すことが難しいのですが、力を入れるタイミングを膝の伸ばし始めにすると進みやすいです(写真上)。

逆に、足首が柔らかい人はこれをやってしまうと柔軟性が水圧に負けて足先がぶれてしまい、筋力が水にうまく伝わらすエネルギーのロスが生じてしまいます。ある程度膝を伸ばした後に、足首の持つスナップの力で蹴っているイメージです(写真下)。ですからあまり力を使わなくてもスイスイ進んでしまいます。ドルフィンキックのように瞬間的に大きな力を必要とするときは足首が少し硬い人のほうが効率が良かったりします。ドルフィンキックが得意でもバタ足は苦手という言う人もけっこう多い印象です。

とは言え、スプリントでもディスタンス(長距離)でもプルとキックの推進力バランスがあまりに大きく差があるのも問題ですので、FLOW STYLE のレッスンでは基準を設けて定期的に評価しています。

そもそもキックが苦手と感じている人は、ボードキックのトレーニング中に誰かと比較してそう感じている場合が多いようですが、ボードキック選手権に出場するわけではないので、スイムが速くなれば良いわけで、そのために具体的に何をするかが重要で、それは人それぞれ違います。オープンウォーターやトライアスロンの選手は浮力のあるウェットスーツを着用するころがあり、キックをしなくても脚は浮きますし、逆にキックを頑張ると抵抗になり疲れてしまう場合があるので、キックをできるだけ打たないことがスイムの最速であったりします。

条件や環境に合わせて最適な方法を客観的に見つけていくいことは、選手一人ではなかなか難しいです。また、スイミングスクールなどの一斉指導ではそれぞれの課題がわかっていても平等にすべての選手に時間を割くことは難しいでしょう。パーソナルレッスンは割高ではありますが、効率よく客観的な視点を持てる方法ですのでぜひご活用ください。

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