不調のときにもう一度確認しておきたいこと

水泳・クロールの白黒シルエットイラスト02
◯スタート
水中スタートであれば、深さと方向を確認しましょう。個々の身長や体重、浮力の増減によって適切な深さと方向が変わってきます。壁を蹴る際の力を入れるタイミングは足首を伸ばすときが最大です。不調のときは足を置く高さが上すぎて、斜め下方向に進んでしまっている事が多いです。5mまでの蹴伸びのタイムを測って最速の方法を確認しましょう。50m自由形30秒の選手なら1秒4〜1秒5が目安です。25秒の選手なら1秒を切ってきます。プールにおける競泳はスタートの初速が最速であって、その後減速していくスポーツです。スタートの初速を最大にしておけばその後のスイムも減速しにくくなります。

◯姿勢
不調のときはついつい推進力のことに目が行きがち。キャッチする水の量を増やそうとか、テンポをさらに上げようとか。しかし抵抗を減らさない限り推進力の向上がスピードアップに繋がりません。優先順位は「姿勢」です。頭とお尻を結んだラインが水面で水平になるフラットな姿勢を確認しましょう。不調のときは頭の位置が高いことが多い。最初はキックだけで確認して、平泳ぎバタフライなら上下動、クロール背泳ぎならローリング入れて慣らしていきましょう。

◯推進力のタイミング
キックやプルによる推進力はいつでも発揮すれば良いというわけでなりません。平泳ぎバタフライなら頭がお尻より高いかもしくは同じ高さのとき、クロール背泳ぎならストローク動作とローリング動作の終盤に推進力のタイミングを合わせましょう。焦っているときはこれが待てずに動作の先取りをして余計にバテます。上述の姿勢と推進力タイミングは25mの最小ストローク数で確認してみましょう。

◯クロールで多い不調の泳ぎパターン
腕の入水後のグライド方向が、前方もしくは斜め上に伸び上がるホップによって、水を前方・上方で掴みすぎている。体幹の弱さや腕のパワー不足によりキャッチからローリングが始まり、力のタイミングがストロークの前半になってしまう。テンポを上げれば上げるほどこのパターンになりやすいです。スタートのスピードが維持できて速く泳げているときは、水は軽く感じるはずです。キャッチで水をしっかり掴めている感じが強いときは、すでにスピードが落ちていきているかもしれません。

不調のときは新しい要素を取り入れたり、キャッチなど一つの動作執着するのではなく、これまでやってきた基本を再確認しましょう。事前に評価の基準を明確にしておくと良いですね(5mの蹴伸びタイム、25mのストローク数など)。



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