5/15開催 第2回個人メドレー対策 まとめ


水泳・平泳ぎの白黒シルエットイラスト
1.浮かび上がるまでの蹴伸びの距離
これがもし10mならば、飛び込んでバタフライの浮き上がりも10mになるようにドルフィンキックの回数を調節してみましょう。もしこの方法で12.5m通過のタイムが遅くなるようだったら、ドルフィンキックの回数を減らしましょう。10m以上ドルフィンキックで進むのはおすすめしません。平泳ぎのひとかきひと蹴りも同じく10mの浮かび上がりを目標にしましょう


2.バタフライと平泳ぎの25m最小回数
200m個人メドレーのベストタイムが2分30〜40秒ぐらいの選手なら、どちらも4かきぐらいで泳げるはずです。もしそれより回数が多い選手は、体力因子に頼っている可能性が高く、今後タイムを伸ばしていくのが難しくなります。ただし、この測定は以下の条件付きです。
・バタフライは水中ドルフィンキックを2回まで。泳法規則に反して潜ってもOK。
・平泳ぎはひとかきひと蹴りなし。これも潜ってOK。
まずはこの回数を減らすことを徹底的にやってください。2種目間で回数が多い方を重点的にやりましょう。

回数を減らすポイントは、頭とお尻の3つの位置関係。頭が低くお尻が高く斜め下に潜っていくA、水中で頭とお尻の高さを揃えて水平に進むB、上半身の浮力によって頭がお尻よりも高くなり斜め上に進むC、この3つがあります。Aは減速しやすい時間帯なのでできるだけ素早くBに移ります。そしてCを待ってからキックやプルといった次の推進力動作を足していきます。プルやキックの技術的・体力的因子も関係しますが、姿勢の取り方が最も重要です。これを無視してパワーやテンポに頼ると一時期からタイムが伸びなくなり負の連鎖に陥ります。

実際の200m個人メドレーを想定した練習では、25mあたり「バタフライは最小回数×3」「平泳ぎは最小回数×4」を目安に練習しましょう。100mレースなら×4と×5。ただし本番のレースで1〜2回増えてしまっても大丈夫です。練習段階で具体的な回数を設定しそれに向かって練習することが重要なのです。


3.背泳ぎのハイポとテンポ
バタフライが無酸素的な運動なので、背泳ぎではできるだけ呼吸頻度を高めて、二酸化炭素を排出し、乳酸の発生をおさえたいところです。そこで、左右両方のストロークの終盤で息を吐き、ハイポ1で泳いでみましょう。世界大会の200m背泳ぎを見ると以前よりハイポ1で泳いでいる選手が多い印象です。テンポは0:70~0:80を目安にしてみましょう。1回ずつのガス交換量を少量におさえて、小さく口を開けて素早く行うのがコツです。


4.バケットターンを恐れず練習していこう
「手のタッチから足が離れるまでのA」「足が離れてから頭が5mラインを通過するまでをB」「その2つの合計をC」としたときに、バケットターンはタッチターンよりも0.3~0.5秒程度速くなります。しかし、ターン技術がまだ未熟だと足の着地位置が不安定になったり壁が正しくけれなかったりして、Bが大幅に遅れることで結果的にCのタイムを落としてしまうことがあります。ですからターン練習ではBのパフォーマンスが落ちていないかを確認しながらAの動作を修正していきます。ターンそのものの速さを追求するのはリスクがあります。バケットターンはパーソナルレッスンの活用をおすすめします。


今回のイベントレッスンでは、100〜200mレース時の力配分についてもお伝えしたかったのですが時間の関係上できませんでした。申し訳ありません。また次回以降に行います。


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