速く泳ぐためには? 今一度、原理原則に立ち返って

「推進力を高める」「抵抗を減らす」これがスイム局面で速く泳ぐための2大要素です。この2つの間には「抵抗は推進力の2乗に比例する」という関係性があります。

推進力は以下の3つの要素に分けられます
①渦の発生(面の向が変わるときに多く発生し、キャッチ時に重要)
②水を掴む長さ(できるだけ同一方向に)
③テンポ(頻度)

抵抗は以下の3つに分けられます
①摩擦抵抗(水着の素材によって改良)
②形状抵抗(よりフラットな姿勢を目指す)
③造波抵抗(バタ足動作は左右交互に上下に動かすので造波抵抗が大きい)

ディセンディング(1本ずつタイムを速くしていく)メニューをやったことがある人は多いと思いますが、テンポを10%ずつ速くしても、タイムは10%ずつ速くならないですよね。これはスピードの増加に伴い抵抗が2乗に比例しているからです。100%のテンポよりもむしろ90%のテンポのほうがタイムが速いなんてことが、平泳ぎやバタフライではあります(上下動を伴う種目は抵抗を多く受けやすい)。

クロールや背泳ぎは、1かきや1蹴りの推進力は小さいですが、ローリングを利用して動きの連続性を高めテンポを上げることで推進力を確保します。しかし、ローリング動作も大きくしすぎたり、タイミングを間違うと抵抗の要素の割合が増えてしまい、体力を無駄に消費します。

水をたくさんつかむためには、I字よりもS字のストロークで面の向きを頻繁に変え、ローリングも大きくすると良いでしょう。しかし、筋力を高めない限りテンポは以前よりも落ちてしまいます。ローリングを大きくした泳ぎは肩関節の内旋位に大きな負担をかけますから、不安定な関節位では力が入りにくくなり、怪我のリスクも増えます。良かれと思ってやっていることが自分を苦しめることになります。

FLOW STYLE のパーソナルレッスンでは、動作を加えるようなアドバイスはほとんどなく、むしろ減らすようにアドバイスすることが多いです。調子が悪いときや、タイムが伸び悩んでいるときはほとんどの場合「余計なことをしている」が原因です。もっと言えば一つのことに拘り過ぎてバランスを崩していることに気づけず、量的な負荷を増やすことでなんとか自分を納得させている状態です。

上記に示した要素を1つずつ評価することができれば、具体的な対策が見えてきます。今回ご紹介したのはスイム局面についてです。これ以外にも、スタート局面、ターン局面、ゴールタッチ局面と分けることができ、それぞれに細かな要素が存在します。どの方法で評価するかを明確にしておくことでトレーニングや練習を効率化できます。


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FLOW STYLE 藤澤ヨシノブ

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