力を入れるタイミングとは何か?


うちわと風の関係で例えると、風量を大きくするには、

①うちわのサイズを大きくする
②うちわに適度なしなりをもたせる
③力を入れる量とタイミングを調節する

などが関係します。とくに②と③は関係性があり、しなりが大きく柔らかいうちわを、力強く素早く仰いでも、大きな風は起こりません。一度しなったうちわが元の形に戻ろうとしたときにアシストするように力を入れる(タイミングを遅らせる)方が、大きな風を起こすことができます。水泳においては、人間の身体と水の両方に「しなり」があり、それゆえ、力を入れてからそれが水に伝わって、実際に進むまでにタイムラグがあります。陸上競技の選手はタイムラグがほとんどない硬い地面で運動する習慣があるので、プールに入ると途端にバシャバシャと力任せに泳いでしまうケースがあります。

以下、まとめます。

・ストローク数を減らすには、大きくゆったりと、より曲線的な動きで、しなりを生かして終動的に力を入れる。

・テンポを速めるには、小さく素早く、より直線的な動きで、しなりを作らず初動から力を入れる。

体力(パワー)や技術はトレーニングや練習によって強化・改善することは可能ですが、身体の構造的特性はなかなか変えることはできません。自分に合った泳ぎを見つける第一歩は、自身の特性をよく知ることです。

リーチが長く、弛緩性が高い(関節がゆるい)人は、平泳ぎやバタフライが苦手で、テンポを速くすることが困難です。逆に、リーチが短く、弛緩性が低い人は、クロールや背泳ぎが苦手で、ストローク数を減らすことが困難です。それらを理解した上で、目的とするレースをどのようなテンポやラップで泳ぐことが最適であるかが見えてきます。

水泳が速くなるための、姿勢や動き方(フォーム)のハウツーは多くありますが、個々の身体の構造的特性に合わせた力の入れるタイミングへの指標は少ないと感じます。5/5祝日のイベントレッスンでは、はじめに腕のリーチ測定と関節の弛緩性をチェックし、4種目をいくつかのタイプに分けて泳ぎます。苦手克服の参考になさってください。

四国高知で水泳の個別指導なら
FLOW STYLE 藤澤ヨシノブ

コメント