今やるべきことをどのように見極めるか パフォーマンスピラミッドの考え方

 

パフォーマンスピラミッドのモデル

例えば同一種目でベストタイムが同じ選手が二人いたとします。その後のトレーニングや練習は同じ内容で良いでしょうか?そこで考慮されるべきは二人のパフォーマンスが何から構成されどのような割合であるかです。レッスン内では以下の3つを見ています。

①機能・構造 関節可動域や正しい動きのリズム 全体の5
②体力 瞬発力や持久力 全体の3
③技術 力の向きとタイミング 全体の2

パフォーマンスの総和を10として、レッスン内では5:3:2の割合を目指していますが、実際は種目や距離によって差があります。

水泳はなんと言っても肩関節周辺や足首の関節の可動域が大きく、手のひらや足のサイズが大きい人が有利です。(足ひれ)やパドルをつければ誰でも速く泳げるようになりますね。短距離であれば瞬発力、長距離であれば持久力がより多く求められます。技術があれば体力がなくても速く泳ぐことはできますが、怪我のリスクは高くなります。

バタフライという泳法について具体的に考えてみましょう。クロールに比べると、肩関節周辺の可動域が大きいほうが有利です。足首の可動域が大きい人はバタ足がより有利で、瞬発力を必要とするドルフィンキックでは水圧に負けて足先がブレてしまう場合がありますが、体幹の剛性との関係もあります。推進力を発揮する力の向きは真後ろではなく斜め下で、タイミングには緩急があります。

下の写真のように総和が10の二人の選手であっても、ピラミッドバランスが違うとその後やるべきことは変わってきます。Aの選手であれば(男性に多いタイプ)、機能を高めるトレーニングを。具体的にはストレッチやファンクショナルトレーニングなどの陸上のトレーニングが必要です。Bの選手であれば(女性に多いタイプ)、体力を高めるためのトレーニングを。具体的には筋力トレーニングが必要です。


よく「長所を伸ばす」という表現がありますが、Aの選手がこのまま体力に依存して、さらにそればかりを高める努力をするといつかパフォーマンスは伸び悩みます。「やるべきことをやる」「不足しているものを補う」のが正しい方法です。機能や筋力(体力の一部)は陸上トレニングのほうが適しています。4, 5月に開催するイベントレッスンではプールサイドでできる陸上トレーニングを導入しています。手軽に始められる内容なのでぜひご参加ください。

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