スタートの構え方 何を基準に決める?

構え方は大きく分けて2つ
①両足をそろえたグラブ
②足を前後にずらしたクラウチング
クラウチングは後ろの足が前方への重心移動させる役割を持ち、それによって前の足1本だけでも飛ぶことができます。一方グラブは、両足が前で構えられているので、前方への重心移動の動き出しが遅くなり、リアクションタイムが遅れます。では、クラウチングはどれぐらい前後の幅をとればよいのでしょうか?

前後幅が大きいと、、、
頭とお尻の高さは水平になります(お尻のほうが低くなるようでしたら膝が90度以上曲がっており、それは引きすぎです)。引いた方のスネは水平に近くなりますから、重心移動は上方よりも前方になります。入水は浅くなりやすいので水中ドルフィンキックを多くしたり、ひとかきひと蹴りをするための時間が確保しづらくなります。身体が軽くて浮力が多い小学生低学年は、少々腹打ちしてもあまり潜らずにすぐに泳ぎ始めたほうが速い場合が多いです。



前後幅が小さいと、、、
頭が低くお尻が高くなります。入水時に必要な40度をすでに作ることができているので、少しだけ飛んで近くへ入水すれば腹打ちしにくいです。引いた方のスネは直角に近づいてくるので、重心移動は前方よりも上方になり入水は深くなりやすいので、その後長く潜りやすくなります(深さについては入水角度だけでなく、体重も関係してきます)。グラブスタートはこれらの特徴がより顕著となります。



前荷重?後ろ荷重?
前後幅を大きくしたのに前荷重にすると、後ろに引いた方の膝はほとんど伸び切ってしまい意味をなしません。後ろ荷重にしすぎるとお尻が頭より低くなりNGです。前後幅が大きいと左右の足の役割分担や力を入れるタイミングが難しくなります。はじめのうちは前後幅を小さくして、やや前荷重で練習し、タイムが安定したら変更していくのをおすすめしています。

脚力(パワー)はどうでしょうか?
両足で100kgのスクワットをする人が、片足になると半分の50kgでできるとは限りません。トレーニング未習熟者は、はじめのうちは50kg未満です。ですからクラウチングで効果を出すためには、陸上トレーニングによって片足のパワーを両足のパワーの1/2以上にしておく必要があります。これが十分でないならグラブの方がより高いパワーを発揮して、入水のスピードは速くなるかもしれません。

トータルで見ることの重要性
身体的特徴、種目、パワー、恐怖心、求める水中動作に対する深さなど、トータルの視点から最適な構え方を決めていきます。安易に自分よりも速い選手のまねをせず、判断基準を明確にして定期的に評価しながら練習すると自信がつきます。


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