飛び込み 練習手順

 飛び込みは「飛ぶ」「込む(入水)」の2つの単語から構成されますが、実際は初動作として「倒れる」「起こす」があります。この2つの動作が不十分だといくら力強くスタート台を蹴っても飛距離は出ず、腹打ちやもも打ちによる抵抗増大の原因となります。

①パワーポジションから倒れる練習
スクワットの少ししゃがんだ姿勢(スネと背筋の平行を保つ)から、股関節や膝関節の角度を保ったまま倒れていき、スネが水平まで倒れたらスタート台を蹴ります。蹴ったときにお尻が頭より高くなれば腹打ちすることはありません。ですから蹴る方向は後ろではなく斜め下方向となります。失敗に多く見られるのは、倒れながら股関節や膝関節を伸ばしてしまい、飛び急いでいることが多いです。この段階では遠くに飛ぼうとしてはいけません。

②ヒップヒンジで起こす練習
壁にお尻を押しつけて少ししゃがんだ姿勢から、背筋の真っ直ぐ保ったままおじぎを繰り返します。ここで体幹の安定と股関節の可動を学習します。必要に応じて腕のポジションを変えたり、重りを持って行っても良いです。写真の右のうようにおへそを前方に突き出すようにして素早く直立するバリエーションもあります。リアクションタイムを速くするのに効果的です。







③「倒れる」と「起きる」の組み合わせ
倒れる動作は重心を前方に移動させる役割があります。ですから「倒れる」と「起こす」はほぼ同時ですが少しだけ「倒れる」が先です。クラウチングはこの「倒れる(重心移動)」を素早く行うことができます。

④構え方の組み合わせ
重心の位置、目線、クラウチングなら足の前後の間隔や後方の足の高さなど、組み合わせ方次第では何通りもあります。レッスン内では5mの通過タイムが速いものを選びますが、種目によっても考慮するする必要があります。水中ドルフィンキックをたくさん打つ人や、平泳ぎのひとかきひと蹴りをする人は、ある程度深く潜る必要があり、そのための構え方を選びます。逆に早めに浮き上がりたいなら鋭く浅く入水する必要があり、少々入水で抵抗が増えてもトータルで見るとそのほうが速い場合もあります。

スタートの合図から入水までは1秒ぐらいです。このわずかな時間の中で、複数の動作をタイミングを合わせて行わなくてはなりません。下半身の瞬発力の向上も重要ですが、優先順位は上記の①や②です。これらの成果を見る方法は、タイムよりもけのびの距離を測ると良いですね。

次回は④の構え方についてもう少し具体的に紹介したいと思います。


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