バタフライ 練習手順

 バタフライの特徴
・4種目の中で最もプルのパワーが必要
・4種目の中で最も上下動が大きい
・水中ドルフィンキックのスピードが全体に大きく影響

200mバタフライに必要な持久力は400m個人メドレーに匹敵すると言われるぐらい、バタフライはきつい種目です。瞬間的に手や腕にかかる水圧が最も高く、クロールに比べてローリング動作がないので負荷がダイレクトに肩関節の筋肉にかかってきます。速く泳ぐためにはよりフラットが良いとされますが、ドルフィンキックという動きの性質上、上下動を伴います。しかし常に上下している訳ではなく、斜め下方向→フラット→斜め上方向を繰り返しており、この姿勢と方向がフォームづくりの基本となります。FLOW STYLEレッスンでの具体的な練習手順は以下の通りです。

①ボードキックでホップを確認
ドルフィンキックと同時にボードの先端が斜め上に進んでいることを確認します。これをホップ動作と読んでいます。具体的には「いつお腹に力を入れて短縮させているか」をみます。

写真の上はこの後キックを蹴りおろした際にお腹に力を入れてしまうパターンで、ボードの先端は下を向いてしまいます。正しくは下のように蹴り下ろす直前までお腹に力を入れておいて、蹴ったときにはお腹を伸ばすとホップすることができます。これがスイム時の第1キック(手の入水後のキック)の身体の使い方になります。25mでのキックの回数及びタイムで評価しています。



②ドルフィンスルーの繰り返し
腕を前方に伸ばし肩幅に開いて、水面に浮いている状態からキックにより斜め下方向に潜ります。その後水中で水平な姿勢を作り、浮力によって斜め上方向に進みだしたところで、斜め下方向にキックして浮上します。斜め下方向への潜りはじめから水平姿勢になるまでをいかに素早くできるかがポイントで、体幹やお尻や足首の使い方をアドバイスしていきます。
写真のように潜るためには、頭がお尻よりも高くなる、そのためにはキックは下方向に蹴る、への字なる。身体的条件として筋肉量および体重が少ないと潜りにくくなります。小学3年生ぐらいまでは潜るのが難しいので、キックの蹴り幅をセーブして上下動が小さくてテンポを上げるほどタイムも短縮する傾向にあります(プルのスプリントトレーニングを優先する)。

③スイムでドルフィンスルー
泳法規定上は失格になりますが、しっかり潜りながらスイムでも②と同じことを確認します。多くのミステイクは、潜る→水平のときに待ちきれずに(潜りきれずに)第2キックを打ってしまっており、結果的にプルや首の力で無理やり上半身を起こしてしまっています。焦らず正しい姿勢と方向を確認してからテンポを上げていきましょう。25mを20秒ぐらいで泳げる人ならゆっくりなテンポで8かきで泳げるようになります。
写真はキャッチを終えた後に、キックとタイミングを合わせてプルを行う瞬間です。より速いテンポでスピード上げていくときはプルの終盤(もっと後方)でキックとタイミングを合わせます。腕が水上で回りにくい人は、キック動作のほうをやや早くして、遅れてプル動作を入れると良いでしょう。この辺は個人の条件によって泳ぎ方が変えていきます。

④スプリントチェック
ある程度フォームができてきたらキックとプルとスイムそれぞれの12.5mまでのダッシュでスプリント評価をします。30%ぐらいの確率で、プルのほうがスイムよりも速い場合があり、これは前述の姿勢や方向の不正や、プルとキックのタイミングの不一致によるものと考えられます。レース直前であれば、前半は思い切ってキックの蹴り幅を小さくして、プルをメインにしたほうが良いという戦略を立てることもできます。
加えて水中ドルフィンキックも評価して、スイムよりも速ければスタート後15mまでキックしても大丈夫としています(いまだ誰もいません)。水中ドルフィンキックが苦手な人はプルよりも速くすることを当面の目標とすると良いでしょう(写真参照)。




次回は背泳ぎの練習手順についてご紹介したいと思います。


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FLOW STYLE 藤澤ヨシノブ

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