ゆっくり泳げることの重要性 いつも速く泳ごうとしていませんか?

練習やトレーニングの調子は良さそうなのに、レースになると調子が悪い。このような人の共通点は、ディセンディング(タイムを上げていく)をするとよくわかります。

・1本目から速く泳いでしまう
・息継ぎの頻度(ハイポ)やテンポが安定していない(1本の中で変化する)
・スタートや浮き上がり動作がやる度に違う(深さや浮き上がりポイント)

などがあります。自分の泳ぎを客観的に把握するためのハイポやテンポやストローク数を管理するという意識が曖昧で、主観的な感覚に頼っている状態です。稀に、手の入水角度やキックの足首の使い方などかなり細かいテクニックを気にしている場合もあり、目の前のやるべきことがおろそかで、とにかく今自分が気になっていることが優先になっているようです。

ディセンディングの1本目は「ゆっくり泳ぐこと」が条件なのですが、具体的にどのようにすればゆっくり泳げるのでしょうか?

・息継ぎの頻度を増やす
・テンポをゆっくりにする
・力強く水をかかない(ストローク数を増やして良い)

などが考えられます。特にウォーミングアップの段階では、まだ体が温まりきってない状態ですから、1本目から速く泳いでしまうということは、筋肉や心肺機能に過度なストレスを与えてしまうことになります。車で例えると、冬の寒い時期にいきなり60km/hで走ろうとした場合エンジンを3000回転する必要ですが、ある程度エンジンが温まった状態なら2000回転で同じスピードが出せます。はじめからスピードを出そうとすると必要以上にエネルギーを消耗し、必要なときには疲れてしまいタイムが上がらない。これがディセンディングがうまくいかないメカニズムです。

最後に、ウォーミングアップにおけるディセンディングのおすすめのテンポをご紹介します。50m自由形のベストタイムが30秒の人の場合、50m4本1分サイクルでディセンディングしたとして、1本目は1:00 2本目は0:90 3本目は0:80 4本目は0:70 とテンポを上げてみてください。テンポが1:00より遅くなってしまうと、フォームが乱れすぎて本来の泳ぎから離れてしまいます。0:70より速くなってしまうと乳酸が産生され始めてアップの強度としては不適切となります。ちなみに0:70は200m自由形のレースペースぐらいなので35秒ぐらいで泳げたら十分だと思います。

泳力レベルが上がるほど、最高の状態にもっていくまでに時間がかかります。ウォーミングアップには然るべき時間をかけて、その日の状態を確かめながら慎重に進めていきましょう。

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