自分にあった種目を決める基準は何か?

今回のポイント
・生まれ持った速筋遅筋バランスと腱の強さ
・トレーニングは不足を補う作業

瞬発力がある人の特徴
スタート動作は、体力の中でも瞬発力を必要とし、より高いパワー(筋力×スピード)が求められます。筋肉自体が強いパワーを発揮するだけでなく、それを骨に伝えるための腱の剛性(太くて硬い)もパフォーマンスアップの条件です。

瞬発的な高いパワーを発揮すのは速筋であり、肩や胸や太ももの裏などに多く存在します。速筋に対して遅筋は体幹などの姿勢を維持する筋肉に多く存在します。この速筋と遅筋の割合は先天的に決まっており、速筋の一部はトレーニングによって遅筋のような性質に変わりやすいのですが(筋持久力トレーニング)、遅筋はどう頑張っても高いパワーを発揮することはできません。筋力トレーニングによって、速筋繊維自体の数は増えませんがサイズが大きくなっていきます。

自分の体の特徴を知ろう
体型を3つに分類する方法としてソマトタイプがあります。内胚葉型は速筋が多く、外胚葉型は遅筋が多く、中胚葉型はその中間です。スタート動作が速く、前半型で、テンポを速く泳ぐのが得意な人は内胚葉型かもしれませんね。ストローク数が多くなりやすく、乳酸の生成能力が高く、後半失速しやすいという特徴も併せ持っています。

また、腱の強さもおおよそ速筋の多さに比例し、これは陸上の筋力トレーニングによって若干ではありますが剛性を高めることができます。風を送るうちわの柄の部分が似ていて、これが柔らかすぎると折れてしまい力が送風に変換されなくなってしまいますよね。

各種目の特徴を知ろう
4種目間で考えてみると、平泳ぎやバタフライは推進力の発揮頻度は少ないものの、1回動作に必要とされるパワーは大きく、速筋が多く腱の剛性が高い方が有利な種目であり、背泳ぎやクロールはその逆だと言えます。100mバタフライと背泳ぎの世界記録を比較すると、バタフライのほうが速いですが、200mだと差が縮まります。それだけバタフライはパワーを生かした泳ぎであり、背泳ぎは持久力を生かした泳ぎであると言えるでしょう。

さらに、短距離であるほど、短水路であるほど、速筋の特性を生かすことができます。あなたとあなたのライバルを比較してみましょう。短距離や短水路では負けるけど、長距離や長水路では勝てる。スタートやターンの後は負けているけどスイムでは追いつく。大会では負けるけど、練習では勝っている。こういう人のほうがベストタイムを出し続ける可能性が高いと考えています(伸びしろが多い)。

僕自身は、小学4年生のとき50m自由形で、中学2年生のとき1500m自由形でそれぞれジュニアオリンピックに行きました。大学では200m400mを得意とし、30歳以降は50mでベストタイムを更新しています。先天的には遅筋線維の多い外胚葉タイプにだと思いますが、筋力トレーニングなどによって速筋を増やしパワーを補ってきたので50mでも戦えていると思います。ちなみに同時期にすべての距離の能力を高めることはできません。

まとめ 何を重視するか
あくまで今回の話は、先天的な要素から見た向き不向きです。中には、時間はかかりますがトレーニングによって補えるものもありますし、何より本人が望むならそこに投資するべきです。向いているけど嫌々やって速く泳ぐのか、向いていなくても時間がかかっても楽しくやるかは、価値観の問題となります。短期間で効率よくタイムを伸ばしたいのなら、先天的な特徴を生かすことをおすすめします。特徴のチェックはレッスン内でできますのでぜひご相談ください。


四国高知で水泳の個別指導なら
FLOW STYLE フジサワヨシノブ



コメント